分離から統合へ
先日、マザーテレサが最後に体験したお話を
読む機会がありました。
以下、引用文です。
最期の一週間、死を予感した
「そろそろ私も神に召されるわ。
イエスさまが迎えに来てくださるかしら」と思いました。
その彼女がいよいよ最期を迎えるというとき
イエスが来るかもしれないと
期待していたところ
現れたのは悪魔でした。
それで彼女はヴァチカンに
悪魔祓いを依頼し
実際にそれは執りおこなわれましたが、
悪魔は立ち去りませんでした。
マザー・テレサは落胆し、落ちるところまで落ちたそのとき
ふっと悟りがやってきます。
「私は、どんな病気にかかった人であろうが
どんな状態の人であろうが、
無条件に受け入れた。
たとえ患部から膿が出ていようが、
接吻して、看取ってきた。
そうか。
私が最期にハグをしなければならないのは
悪魔かもしれない」
そうして、マザー・テレサは悪魔とハグをしました。
キリスト教徒にとって悪魔というのは、私たち日本人には想像できないほどの
深い概念を内包するものです。
このときのマザー・テレサの覚悟を思うと、いかばかりだったかと
想像を絶するものがあります。
そうして、悪魔は消えました。
そのあとにやってきたのは、本当の悟りでした。
「悪魔だと思っていたけれど、やってきたのは真逆の自分だったのね」
誰から見ても清く生き、権力やお金を忌み嫌っていたという彼女は
権力からの寄付を「そんなものは汚い」と受け取りを拒否したいいます。それはやはり裁く自分がいたからです。
清く生きるということのなかに、どこかに否定する自分がいたのです。
だから最期に反対側の自分がちゃんとやってきました。
それが自分には悪魔に見えたけれど、ハグすることができて
本当の統合が起こりました。そうして亡くなっていきました。
忌み嫌っている自分との統合
深いテーマですね。
全ては一つだという世界 ONENESS
この図は、『太極図(たいきょくず)』と呼ばれるもので、
陰(黒)と陽(白)を表しています。
☆陰と陽は、交じり合っている。
☆陰の中に陽が、陽の中に陰があり、
陰と陽が相互依存している。
陽極まりて陰になり、
陰極まりて陽となる。
陰と陽のバランスをとることが
大切という事なのですね。
自分の中にある、
忌み嫌って置いてきぼりにしている部分を
そっと抱きしめてみるということも
統合には大切なプロセスかもしれないなあと
このお話から、気づけました。